メディカルエステあらかき－美の処方箋ー

肝機能は炎症状態ではなく、すでに安定しています。

一般的に肝機能を見る項目、AST/ALT、γ-GTPは基準値内です。

が、フェリチン値が高い。


肝機能が炎症を起こすとフェリチン値が上昇します。

フェリチンは鉄欠乏性貧血時に貯蔵鉄を確認する項目でもありますが

肝機能障害の程度を見る項目でもあります。

貯金の鉄は主に肝臓に保管されているのですが、肝臓が炎症状態になると

貯金の鉄の利用が出来なくなり、どんどん肝臓に蓄積します。


「肝硬変」は肝臓が硬く変化すると言う病態です。

この硬くした線維化状態の犯人がフェリチンです。


炎症時のフェリチンはヘモグロビンと相関しませんので、

ヘモグロビンから推測することもできません。

アルコール性肝炎でも急性肝炎でもフェリチン値は上昇します。

フェリチン値の上昇が炎症の悪化具合を反映すると思ってください。


さて、Ａさんの場合、もともと飲酒は多かった様子。

海外通販で取り寄せたサプリの中に鉄剤がありました。

海外のサプリの中で、一番、私がお勧めしたくないのが鉄剤です。

海外の鉄は「非ヘム鉄」の「キレートタイプ」が圧倒的に多い。


キレート鉄は日本ではサプリメントでは製造禁止です。

薬剤として処方される「フェロミア」などがこのキレートタイプです。

医師の管理下で、過剰鉄と副作用に注意しながら処方されます。


Aさんはもともと肝機能障害傾向にこのキレート鉄を摂取してしまいました。

フェリチン値が急激に上昇したために肝機能が一気に悪化したと推測しました。

あとはビタミンBやビタミンCの類なので、犯人はキレート鉄ですね。


海外通販サイトで病態改善に推奨できるサプリメントを自分で探すのは

非常に難しいように思います。注意しましょう。