メディカルエステあらかき－美の処方箋ー

（１）の女性の貧血は「月経」があるからで

女性の貯蔵鉄フェリチン値は男性の５分の1が平均値です。

＊フェリチン：男性の平均100　女性の平均20


貧血があると脱毛しやすくなります。

毛質も悪いです。傷みやすくもなります。

毛髪のケラチンというタンパク質合成がうまくいかないからですが

同じケラチンタンパクなのが皮膚と爪なので

皮膚も弱くなり、爪も割れやすくなります。

貧血が改善すればすべて良くなります。


さて、最近、多いのが（2）のホルモンバランスの乱れによる薄毛です。

女性ホルモンと毛髪遺伝子は密接につながっています。

多嚢胞性卵巣症候群、高プロラクチン血症、高アンドロゲン血症などが

育毛を阻害し薄毛になります。


女性ホルモンはインスリンとも関連しているので

糖尿病、糖尿病予備軍、高インスリン、低血糖、肥満から

女性ホルモンのバランスが崩れて

上記の疾患につながることもあります。


女性ホルモンが背景にある薄毛は

女性ホルモンのバランスをもとに戻すことをしなければ

改善は見られません。


薄毛の状態も、まるで男性のように頭頂部から全体にかけて薄くなり

深刻な状態になることも多いです。

ホルモンバランスを改善しても、元の毛量には戻らないこともあります。


（3）の自己免疫疾患による脱毛・薄毛も様々です。

もっとも多いのが甲状腺機能低下症による薄毛。

甲状腺ホルモンが少ないと細胞分裂を促すことができず、薄毛になります。

甲状腺機能低下症は閉経前後に発症しやすいです。


甲状腺機能亢進症も脱毛しますが、

どちらかというと機能低下症の方が薄毛が悪化します。


膠原病でも脱毛します。

強皮症、SLE、リウマチなども薄毛になります。


自己免疫疾患は性差があって

女性の発症率が男性よりも高いことがわかっています。


自己免疫疾患の発症の背景には

栄養不良→免疫力の低下があり

栄養不良に多く見られるのが「貧血」です。

さらに「低たんぱく」や「低コレステロール」が伴っていることも多いです。

毛髪どころの体内環境ではないんですね。


疾患に伴う脱毛の場合は、基本的に疾患の治療を行うことが大前提です。


さて質問がありました。

「14歳頃から薄毛、21歳でミノキシジル内服、効果が得られない」


薄毛治療にミノキシジル内服も使われるようになりました。

ミノキシジルは昔の古い降圧剤で、

副作用が多毛（毛根の細胞分裂を促進）だったことを逆利用して

育毛治療に応用されたんですね。


難治性の女性の薄毛に効果があったことから広まりましたが

始まりは「閉経期の甲状腺機能低下症の薄毛」に対してでした。


当院ではどちらかというと閉経前後の女性の薄毛で

特効薬がない場合にミノキシジル内服を試しています。


若い女性の場合は、薄毛になる原因が必ずあるので

まずは原因を探します。