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2025年03月06日

病気?ではなくて栄養失調です!見てわかる血液データ

「ビリルビンが高くて、クレアチニンは低いのでどうしたら良いですか?」
と、人間ドックのデータ持参でご相談に来られた女性Aさん。

人間ドックで「注意しましょう」と指摘はされたのですが
具体的に何をどう注意すれば良いか全くわからないので困っていると言います。

ビリルビンは徐々に上層し、ここ数年はHマークだそうです。
気がつけば同じ頃からクレアチニンはLマークになった気がするとのこと。
「関係ありますか?」と聞かれましたが・・・・
食事調査表を見て・・・、そうですね、多分、関係ありますね。

病気?ではなくて栄養失調です!見てわかる血液データ
昨日のお弁当。
ほうれん草とキノコのバターソテー、ハンバーグ、ごぼう、ブロッコリーとトマト、
辛子明太子、玄米、味噌汁、おやつはみかん(柑平)
病気?ではなくて栄養失調です!見てわかる血液データ
大葉が安かったので・・・
病気?ではなくて栄養失調です!見てわかる血液データ
素麺チャンプルに山盛り入れてみました。
キャベツ・ニンジン・玉ねぎ・シーチキン入り。

Aさんの食事内容は、低栄養の内容でした。
定食がほとんどなく、プロテインだけや、完全食?という名称の置き換えとか。
HbA1cも低値なので、主食も少ないことがわかります。
どうもダイエットで食事量を減らした様子。栄養失調ですね。

さて総ビリルビンも間接ビリルビンもHマークですが、
これは溶血による上昇です。

赤血球のMCVは基準値上限なのでHマークはまだついていませんが
大球性貧血ですね。
赤血球が壊れやすくなっています。増血機能は亢進していました。

なぜ大球性貧血になったのか?
動物性タンパク質が少ないからです。
肉や魚の動物性タンパク質に含まれるビタミンB12の不足を疑いました。

クレアチニンは腎臓の項目にありますが、腎臓そのものというわけではなく
筋肉に含まれるクレアチニン量で、糸球体の機能を推測しているだけです。
言い換えれば筋肉を作るタンパク質量と比例します。

つまり低タンパクが原因。
肉や魚を食べない生活が、大球性貧血を引き起こし、
ビリルビンが上昇しました。
タンパク質不足がクレアチニンを下げてしまいました。

Aさんに食事は動物性タンパク質を含む定食で食べるように指導し、
ビタミンB12、EPA、ビタミンAなどをご案内。

3ヶ月後にはビリルビンは低下して基準値内、
クレアチニンは上昇してこれも基準値内に収まりました。

ところでAさん、ずいぶん血液データに詳しいなぁと思ったら
なんと医療従事者なのでした。びっくり。
確かに、血液データのビリルビンだけが上昇して他の項目が正常なら
肝炎や黄疸や胆石を疑うこともないわけでして・・・・
クレアチニンも同様ですね。低値はさほど問題になりませんからね。
腎機能が弱っていると思ったようですが、まったく違いますから(苦笑)

それにしても食事が原因とは全く気づかなかったと非常に驚いておりまして、
分子栄養学に興味津々のご様子、良かったです。

病気?ではなくて栄養失調です!見てわかる血液データ
大球性の場合はビタミンB12不足を最初に疑います。

病気?ではなくて栄養失調です!見てわかる血液データ
溶血を防ぐには膜強化のEPAも有効です。

病気?ではなくて栄養失調です!見てわかる血液データ

自分で血液データが読めると、病気の早期発見にも役立つます。
会社検診は検査結果のみで、医師の診察がありませんし・・・。



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