抗がん剤副作用の貧血には「ヘム鉄」ではなくて・・・・

新垣弘美

2022年02月06日 22:29

がん細胞の特徴はアポトーシス(自死)せずに細胞分裂して増殖することです。

抗がん剤は細胞分裂が活発な癌細胞を攻撃するために使います。

でも細胞分裂が活発なのは癌細胞だけではありません。

なので細胞分裂が活発な正常な細胞をも攻撃してしまいます。

最も細胞分裂が活発なのは腸の粘膜。なので下痢します。

髪の毛も1ヶ月で1cmも伸びるほど活発。だから脱毛します。

それから体の全細胞の3分の1を占める赤血球も細胞分裂が活発です。

なので貧血にもなってしまいます。

抗がん剤治療中にお勧めしたいのはビタミンAとコエンザイムQ10

ひき肉たっぷりのボロネーゼ、肉にはCoQ10もビタミンAも豊富
毎晩、オリンピック観戦。小林陵侑選手の金に一人大盛り上がり

ご家族の癌のご相談も増えてきまして、特に抗がん剤治療中の貧血について。

先日も「重度の貧血なのでヘム鉄を希望」とありましたが、

抗がん剤副作用の貧血は鉄不足というわけではありません。

念の為、血液データを送っていただくと、やはりそうでした。


ヘモグロビンは一桁で重度の貧血ですが、貯蔵鉄のフェリチンはHマークです。

鉄はあるのです。ないのは赤血球。赤血球不足です。

赤血球数はLマークで大幅な低い数値でした。

抗がん剤が血液幹細胞を攻撃するので造血できないのです。


細胞分裂時に使う栄養素はビタミンAです。

なのでヘム鉄ではなくビタミンAの補充が必要です。


抗がん剤副作用の貧血はヘモグロビンだけでなく

赤血球数とフェリチン値をしっかり押さえておくことです。


貧血に関わらず癌患者にはビタミンAを優先的に案内しています。

ビタミンAは免疫力にも重要な働きがあるからです。


ビタミンAも種類っていうか、体内で代謝されるのですが

活性力にはものすごい差があるのです。

カロテンとかレチノールとか聞いたことがあると思いますが、

細胞分裂に関わるのはレチノイン酸というタイプ。

カロテン→レチノール→レチノイン酸と体内で代謝されます。

レチノールとレチノイン酸の活性力は1:100と言われるほど。

ちなみに国内のビタミンAサプリメントはカロテンとレチノールです。

レチノイン酸は医薬品になりサプリメントには含まれていません。


カロテンは野菜に、レチノールは魚や肉に含まれています。

人参やカボチャもいいけれど、即効力があるのは動物性の方。

沖縄の薬膳、チムシンジ(レバーのお汁)や魚汁は理に叶っているということ。

せめてカチューユー(鰹節と味噌)だけでもとってくださいね。

ラジオ沖縄 ゴーインにマイウェイ(新垣担当)

2月21日(月)20:00~21:00

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