「子供の美容整形」は形成外科専門医を勧めます

「中高生対象の美容治療広告」や「ふるさと納税返礼に美容治療」など

コロナ禍以降、一部の美容治療医院の暴走ぶりには懸念がありました。

しかし、今朝のNHKあさイチでは保護者のコメントにも驚きました。

ビジネス目的の美容治療医院も問題ですが、受ける側にも問題があります。


まず美容外科学会には２つあることを知ってくださいね。

一般社団法人美容外科学会（JSAPS)と美容外科学会（JSAS）です。

JSAPSは形成外科専門医で構成された団体で、大学病院も加入しています。

JSASは形成外科専門医ではなくとも医師であれば加入できる団体です。

番組に出演していた医師は（JSAPS)の大学病院形成外科教授でした。

「基本は形成外科医、形成外科専門医であることが望ましい」と述べていました。

番組では10代の子供達に多い二重瞼の埋没法の内容がありました。

形成外科医の実際の埋没法の手術がありましたが、

４箇所を止める方法は初心者医師の術式です。

なるべく瞼に傷をつけずに二重を作ることが望ましく、

熟練の医師であれば結び目は一点のみの平賀法で固定できます。


驚いたのはチェーン店の美容外科の診療体制でした。

医師ではなく、まずカウンセラーが治療メニューを説明するのだそう。

「安い料金だとこの術式、高い料金だとこの術式で見栄えも良く長持ちする」

で、患者が料金と内容でどの術式にするのか決める（驚！！）

また、二重瞼の埋没法で全身麻酔を選択できるメニューにも驚きました。

医師が患者の希望を聞き、どの治療法が良いかを提示するのではなくて。


で、その後の保護者のコメントには目が点です。

カウンセラーに言われて10万円コースにしたが、出来上がりを見たら

安い5000円以下のコースでも良かったのではないか・・・・と。

その低料金の理由を考えたことあるのでしょうか？

超初心者医師のトレーニング料金かもしれないかも・・ということを。


まず、埋没法は麻酔や針、糸の材料費に医師や看護師の施術時間を考えて

5000円以下とは絶対あり得ない金額です。

5000円の裏に何かあるとは思わないのか不思議でなりません。

形成外科専門医であればその資格と実力に見合った料金を提示します。


ちなみに形成外科専門医は、医学部を卒業後２年間の研修医を終えてから

形成外科専門医研修に進み、5〜6年経て専門医試験を受け資格を取ります。

ストレートで医学部を卒業しても専門医取得は30歳を超えてからだと言うこと。

その後、博士号取得に進む医師もいます。

当院院長は形成外科専門医、博士号、美容外科専門医（JSAPS）を取得しています。


美容手術を受ける時は、料金よりも何よりも、医師の資質とモラルを見極めて

選ぶことです。

インターネットで情報が氾濫していますが、正しい情報をキャッチしてください。


厚生省の指導で、美容治療のビフォーとアフターの画像表示は禁止されています。

保険診療も行う形成外科・美容外科はその指導に沿ったホームページになっています。